祝日に貼るシール

2019年のカレンダーは変則的だった。祝日が決まるのが遅かったからだ。

天皇の生前退位の前例がないうえに、新元号の発表は施行の1ヶ月前の4月1日。また、祝日法の改正が国会を通過していない状況でカレンダーには祝日の未確定要素が多かった。

企業が社名を刷り込む前のカレンダーは、実はその前年の春には出来上がっている。

そのために2019年のカレンダーは、以下の日が祝日の赤でなく黒になった。

4月30日 退位の日

5月1日   即位の日

5月2日   

10月22日 即位礼正殿の儀

12月23日 平成の天皇誕生日

あるお客様からその情報をもらい、透明のフィルムに赤印刷を施した丸いシールを日付の上に貼って、祝日に直しましょうという「祝日に貼るシール」を商品化して売り込んだ。

文具関係のメーカーさんにも取り扱ってもらったが、これが全然売れなかった。

一般的に企業のノベルティで使われる、壁掛けカレンダーの数字の大きさに合わせたのだが、そもそも、そのサイズの需要が限定されたのと、使用方法が伝わりづらかったのだと思う。

さて先日、来年度のカレンダーについて、業者さんが来社して説明していかれた。

来年度も変則的である。

まず、東京で開催予定のオリンピックが延期になったことで、来年7月・8月の祝日が変更されるらしい。ただ、まだ現時点で祝日法改正の法案が国会を通過していないので、来年も祝日が黒いままのカレンダーが出来上がる。

近年これほど、祝日が移動することも、カレンダー業界始まって以来だろう。

また祝日に貼るシールの需要があるだろうか。

前の記事

オーバースペックなシール

次の記事

オリジナルシールの注文のコツ